図書情報室

女性の世界地図 女たちの経験・現在地・これから

01/シ

ジョニー・シーガー/著

明石書店

世界の女性の現状、居場所、健康、労働、教育、財産等、9つのパートに分けたジェンダーに関する137項目の統計データを、地図やグラフに表すことで「見える化」する。数値の羅列だけでは判じがたい、しかし確かにあるジェンダー格差を、視覚からも知ることのできる仕掛けは、フェミニストであり、地理学者である著者ならではの視点だ。
この世界地図の初版は1986年刊。改訂を重ね、第3版は2005年に『地図で見る世界の女性』として邦訳・出版された。本書はその最新版である。15年の間に、世界がどう変わったか/変わっていないのかを見比べることも出来よう。

「男女格差後進国」の衝撃 無意識のジェンダー・バイアスを克服する

「男女格差後進国」の衝撃 無意識のジェンダー・バイアスを克服する

05/ジ

治部れんげ/著 

小学館

世界経済フォーラムが毎年発表している「ジェンダーギャップ指数」(経済、政治、教育、健康の4項目で国内の男女格差を示す指数)で、2019年12月、日本は前年度より順位を落とし153国中121位だった。これは、先進国では最下位、多くの新興国・途上国より低い順位である。筆者はその理由を、多くの人が「日本は男女格差が大きい」と実感せずに暮らしているからだと考える。本書では、「ジェンダー」に基づく無意識の決めつけや格差を解消するために、他国の取組を紹介し、ジェンダー平等のためにできる具体例を挙げている。
日常生活での自分の無意識の決めつけを見直し、自分と違う価値観を持って生きる身近な人を理解するきっかけにしてほしい。

おとめ六法

おとめ六法

21/カ

上谷さくら/著 岸本学/著

KADOKAWA

法律とは本来、男女関係なく適用されるべきものなのに、どうして本書は『おとめ』に向けられているのでしょう。
日本の社会は、平等であるはずの男女の権利や社会的地位、家庭での立場などに差があり、女性にとってまだまだ生きづらい現状があります。それでも自分らしく生きることをあきらめず、大切なものを守るために必要な法律の知識を分り易くまとめたものが『おとめ六法』です。
不当な暴力、嫌がらせなど、女性であるがゆえに直面する困難に見舞われ、女性がその現状を打ち破ろうとする時、「法律」は強い武器になる。―― 誰であれ、「法律」に沿った主張があれば、社会はそれを表立って否定することはできない ――とは著者のことばです。
困ったとき、どう行動したらいいのかを示す「道しるべ」として、これから社会に出るおとめの「お守り」として、力となる一冊。

彼女たちの部屋

彼女たちの部屋

105/コ

レティシア・コロンバニ/著 齋藤可津子/訳

早川書房

小説家・映画監督・脚本家・女優でもある著者のデビュー作『三つ編み』は、国も立場も違う3人の女性が困難や差別に立ち向かう生き方を描き、フランスで100万部を突破し、世界中で翻訳されている。
第2作目である本書では、約100年前と現代のパリに生きる2人の女性に焦点を当てている。100年前、パリ救世軍に参加するブランシュは、暴力や貧困のために路頭に迷う女性と子どもが安心して暮らせるために奔走していた。現代、弁護士ソレーヌは、初めての挫折の後、女性会館で代書人のボランティアを始める。そこには、暴力や貧困、差別等、様々な理由から住居を追われた女性達が暮らしている。ソレーヌは、女性達の思いがけない依頼に戸惑うが、一人ひとりと話し手紙を綴るなかで、互いに思いを通わせ癒されていく。この2つの物語が時代を超えてつながっていく本書にも多くの読者から共感を集め、フランスでは15万部を突破するベストセラーとなった。

さよなら、俺たち

さよなら、俺たち

08/キ

清田隆之/著

スタンド・ブックス

恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表である著者は、これまで1200人以上の恋バナを聞き集め、「恋愛とジェンダー」をテーマに発信してきた。そんな著者が『これからの時代私たちに必要なことは、甘えや油断、無知や加害者性など、自分の見たくない部分と向き合いながら、「俺たち」にさよならすることだ。』と語る。ここで言う「俺たち」とは、男性たちが内包している男性性のことだ。
「このままでいいのか、いけないのか。それが問題だ」。ハムレットの有名なセリフになぞらえ、敢えて自身の経験も織り交ぜながら、失恋、家事、性的同意、風俗、夫婦別姓やコロナ離婚など、様々なテーマから「俺たちはこのままでいいのか」と著者は問いかけ、そこに根づく男性問題を掘り下げていく。著作を通して、様々な視点で共感し、気づきを得られるのではないだろうか。

働き方改革で 伸びる女性 つぶれる女性

働き方改革で 伸びる女性 つぶれる女性

57/ヒ

東谷由香/著

日経BP日本経済新聞出版本部

「どうせ私なんか」と自分の能力を活かすことをあきらめている女性たちを見ると、働く女性の「先輩」でもある著者は、「もったいない!」と思わずにいられない。本書でも、女性の前に立ちはだかるハードルについて丁寧に解説し、問題点を指摘すると同時に、女性たちに「だからこそ『私なんか』と言わずにがんばれ!」とエールを送ってくれる。一方で、「できない理由を探して働かない」で済むほど、これからの時代は甘くないと苦言を呈する。
働き方改革は「生き方改革」。大切なのは、やる気と自分の人生に責任を持つ覚悟。「できない理由」を探しても、自分の可能性は少しも開花しない。それなら、一歩踏み出そう。自分の人生を豊かにするために!働く女性たちを後押ししてくれる一冊である。