図書情報室

DV被害を経験した女性と子どものために フェミニストカウンセラーからのエール1

DV被害を経験した女性と子どものために フェミニストカウンセラーからのエール1

82/フ/1

日本フェミニストカウンセラー協会 日本フェミニストカウンセリング・アドヴォケイター協会「アプローチ研究会 DV被害者支援チーム」/編

日本FC学会認定フェミニストカウンセラー協会/発行

日本フェミニストカウンセリング学会で認定されたフェミニストカウンセラー、フェミニストカウンセリング・アドヴォケイターが、DV被害にあい苦しい思いを抱えている女性へのエールとして作った冊子である。冊子では、男性からDVを受けた22人の女性のものがたりを紹介しており、読者が自分に似た誰かのものがたりを自由に探せるようになっている。それぞれのものがたりは、暴力の実態と被害からの回復の手立てについて説明されており、見開き半ページずつに分かりやすくまとめられている。
フェミニストカウンセラーとして、日々多くの女性の話を聴き、寄り添ってきたからこそ、「この問題はあなたひとりの問題ではない。必ずともに考えてくれる人がいて、必ず道があり、方法はある」とこの冊子を通して暴力で苦しむ女性達にエールを送り続ける。女性達が自分の人生を取り戻すようにと。

 キュロテ・ドゥ 世界を変えた15人のスゴい女たち

キュロテ・ドゥ 世界を変えた15人のスゴい女たち

02/バ

ペネロープ・バジュー/著  関澄かおる/訳

株式会社ディスクユニオン

本書は、フランスの若手イラストレーター・コミック作家による女性偉人伝コミックの2作目である。タイトルの「キュロテ・ドゥ」とは「キュロットをはいた女たち」のことで、転じて「男勝り」を意味する。カラフルな色彩とユーモラスな画風は、目を楽しませてくれるだけでなく、紹介する女性それぞれの個性を捉えていきいきと描かれている。
アフガニスタン出身のラッパー、ソニータ・アリザデが児童婚根絶のために奮闘する姿、自閉症でありながら畜産業界でトップの科学者として活躍するテンプル・グランディンなど、どんなに困難な状況にあっても自分を信じ、好きなことをするために自分なりの方法で闘ってきた15名の女性たちを紹介している。
誰が何と言おうと決して諦めずに、自らの運命を切り開いた女性たちの芯の強さに励まされる一冊である。

性差の日本史

性差の日本史

03/ジ

大学共同利用機関法人人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館/編

これは、2020年秋に国立歴史民俗博物館で開催された企画展示「性差(ジェンダー)の日本史」の図録である。しかし、図録と呼ぶには、読み物としてあまりにも興味深い記述が多すぎる。
長い日本の歴史の中で、女性は常にそこに存在していたにもかかわらず、記録として残ることが少なかった。女性たちの姿を改めて掘り起こす女性史研究の中で生まれた「なぜ、男女で区分するようになったのか?」「男女の区分のなかで人びとはどう生きてきたのか?」という問い。これに「政治空間における男女」「仕事とくらしのなかのジェンダー」「性の売買と社会」という3つの側面からアプローチしている。
無意識のうちに私たちの中に深く入り込み、影響を与えているジェンダー。本書とともに古代から現代までの歴史を改めて見直す中で、各々に新たな発見をもたらすのではないだろうか。

キングコング・セオリー

キングコング・セオリー

05/デ

ヴィルジニー・デパント/著 相川千尋/訳

柏書房

本書は、フランス人作家の自伝的エッセイ。17歳の時に受けたレイプ被害や売春の経験をもとに、性暴力やポルノについて自身の理論を語る。
レイプ被害者は、信じてもらえるよりも自分が責められることの方が圧倒的に多い。彼女自身も被害を語るとき、「レイプ」という言葉を避け「襲われた」「ひどい目に遭った」と言っていたという。加害者はもちろん、被害者をも黙らせる二重の沈黙が社会に存在するのだ。
彼女の語る言葉は、俗語が多く挑発的であるため誤解を招きやすいが、男性社会の中に存在する暴力に対する怒りと力強い言葉に多くの女性が共感する。そして同時に沈黙してきた自分に気づくかもしれない。

あっ!そうなんだ!わたしのからだ

あっ!そうなんだ!わたしのからだ

E ア

中野久恵 星野恵/編著 勝部真規子/絵

エイデル研究所

『わたしのからだ』は“あっ!そうなんだ!幼児に語る性と生”シリーズ第2弾。子どもと一緒に読む絵本編と、大人が前もって読んでおきたい解説編で構成されている。
絵本編では、子どもが「自分のからだは大切」という意識を育めるように、からだの名前、トイレの仕方やプライベートパーツの洗い方、からだをさわられてイヤと感じたときどうするか等、日常生活の場面で性を学び、話し合える内容を紹介。解説編では、絵本が伝えたい内容を補足し、どんな視点で子どもと話し合えばよいのかが丁寧に書かれており、大人が自信を持って学びを支援できるよう工夫されている。
子どもが自分のからだに興味を持ちはじめる幼少期に、子どもと一緒に楽しみながら読んでほしい。

存在しない女たち

存在しない女たち

05/ペ

キャロライン・クリアド=ペレス/著

河出書房新社

著者は英国籍のジャーナリストであり、フェミニスト活動家でもある。
本書で彼女は、日常生活、職場、デザイン、医療、市民生活、災害のそれぞれの分野におけるジェンダー・ギャップを分析し、データに女性が存在していないこと、そのため女性に不利益が生じていることを述べている。
例えば、薬の治験では、男性の体を基準として行われるため、女性患者への誤った薬の投与で病気を悪化させたり、最悪の場合は死亡することを指摘している。
「多くの男女差別は悪意によるものではなくて、認識の欠如によって生じている。差別の認識の欠如は差別の助長につながってしまう。まず差別の存在を認識し、その問題がどんな被害を生んでいるかを知り、解決や改善に向けて行動を起こすことが重要だ。」という言葉が印象に残った。